12月の花 ビワの花
ビワの花が晩秋に咲くのに気がついたのは最近である。梅雨入りのころ橙色に熟してゆくビワの実 を見るのは毎年の楽しみであったが、花の方には気が向いていなかった。今年新しく出た枝葉の根元 に花穂が立ち、白い小さな花がかたまって咲く。脚立に登って見ると存外可憐である。花期は長く咲 き終わって冬を越すと、小さなあおい実がいくつもついている。三十年ほど前、食べたビワが美味だ ったのでそのタネを庭に埋めておいた。その実生の木が大きくなって実をつけ始め、実のなりも琵琶 の形をして大きく、この十年来味も良くなった。しかし、樹の芯を止めなかったので今では大木にな り、手が届かなくなった上の方の実は、ムクドリやヒヨドリなど鳥たちの食べ放題である。(2004.12.1)

ビワの花(横浜)

ビワの花のつぼみ