9月の花 鳳仙花
ツリフネソウ科の鳳仙花は子供のころから身近な花で、何処の庭にもあった。実が熟すと莢がはじけ芥子粒のような種を飛ばす。ちょっと触って、ポンとはじかせるのが遊びであった。女の子の方は、赤い花びらを爪にこすりつけて爪を染めていた。「爪紅(つまべに)」というのは、今でいうマニキュアである。四十年ほど前には裏の庭にも鳳仙花があったのだが、木が大きくなって日を遮ったせいか、いつの間に姿を消して久しい。思い立って園芸店で尋ねたら、この頃は出まわることはないという。それで、花の種コーナーに一袋残っていた種を買った。小さなプランターに播いたのが七月のはじめで、やや遅かったのだが、発芽して順調に大きくなり立秋を過ぎて花をつけた。(2022.9.1)

ホウセンカの双葉(横浜)

ホウセンカの花(横浜)