11月の花 イヌホウズキとワルナスビ
 つい先頃まで、イヌホオズキをワルナスビと思い違えていた。ワルナスビには棘があるが、イヌホオズキにはない。イヌタデ、イヌザンショ、イヌムギなど、イヌという少し貶めたような蔑称をいただく植物は多い、ニセとかワルとかをいただいていたり、モドキをつけられているのもある。ヤマ(山)椿とか、ノ(野)牡丹とか、生育している場所を示すものや、ヒメ(姫)とかオニ(鬼)で大小を表すのはまだしも、本種に比べて姿かたちは似ているが、食べられないとか、香りが落ちるとか、使いものにならないという、人の都合によってつけられているのが不憫である。勿論、人にもニセ医者、ワル餓鬼、イヌ侍というのがあるから、植物だけの事情ではないようである。(2007.11.1)

イヌホオズキ(横浜)

ワルナスビ(千代田区)