7月の花 イチジク
イチジクは無花果と書くが、膨らんだ実の中に花が入っている。九月になり果皮が赤紫色を帯びて熟した実を、二つに割るとびっしり赤い花が詰まっている。 中はとろけるように甘い。子どもの頃、近所の家の庭には必ずと言っていいほど、イチジクの木が植えられていて、実が熟すのを待ち遠しく見ていたものである。農家にはイチジクのほかに柿、梅、夏ミカンなど実のなる木が何本もあった。身近に食べられるものを備えておいたのだと思う。茱萸(ぐみ)もあったが、十分に熟さないとひどく渋くて子どもながら敬遠したものである。(2020.7.1)

若いイチジク(横浜)

熟し始めたイチジク(横浜)