5月の花
柿の花
柿の若葉が黄緑色の葉を広げてゆくとき、葉の付け根にはすでにつぼみがついている。葉の緑と同じ
色をしているが、大きな萼がよく目立つ。農家の庭には必ずと言っていいほど柿の木があり、大体が渋
柿であったと記憶している。実がまだ青いときに絞った柿渋は、瓶に入れて熟成させると防水、防腐、日
本酒の清澄剤にとその用途は広く、農家にとっては不時の出費のときの現金収入となったという。甘柿
が出現する前は、渋を抜く技術がいくつもあった。裏の柿の木は、渋柿の木に甘柿の枝をさしたものら
しく、渋柿と甘柿がまじる。見た目はわからないが、鳥たちはよく知っていて先ず甘柿を食味する。柿
の花は、白いというよりクリームがかった四弁の花で、萼に包まれて控え目に咲く。(2004.5.1)
横浜の柿の花
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柿の花のつぼみ
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