11月の花 金魚草
金魚草は名前が可愛らしい。花穂が立ち、花をいっぱいつける。ゴマノハグサ科で同じジギタリスと花のつき方は似ているが、花の形は違う。ジギタリスは筒状の花で下向きにつくが、金魚草はやや上向きにつき花弁は幾重にも重なる。名前に金魚がついているので、花の形が金魚に似ているからと思っていた。秋の半ばに近くの園芸店に行ったとき、お店の人が丁度金魚草の鉢を並べているところであった。花期が十一月から五月と書いてあるので不思議に思い、聞いてみたところ耐寒性があるという。ついでに、どこが金魚に似ているのか聞いた。花弁の形が、尾びれが大きい「琉金という金魚の尾のひらひらに似ているでしょ」とのことであった。一鉢もとめて帰り、調べてみた。植物図鑑には花期は春とあり、『十七季』という季語辞典では、仲夏の季語で、花を「つまむと金魚の口のように開閉する」とあった。注目しているところは違っているが、それぞれ金魚の形を見ているのは確かである。(2022.11.1)

金魚草(横浜、園芸店)

金魚草(横浜、園芸店)