3月の花 ハコベ
 暖かくなると、緑なすはこべは萌える。実は正月の七草の時にも、地面に張りついたように葉 を出していて、少し摘んで七草粥に入れる。三月になると、やわらかく葉茎を伸ばしふんわりと 繁みをなして盛り上がる。子どものとき、飼っていた鶏の餌に毎朝ハコベを採りにゆくのが、わ たしの役目であった。神社の裏にある松林の中がハコベの宝庫で、いつもそこに行ったのだが、 ある日黒いヘビがピョンと跳びだしてきて追いかけられたことがある。カゴを放り出して逃げた が、あれはカラスヘビであったろうか、マムシであったろうか。ミドリハコベは茎も緑であるが、 コハコベの茎は紫がかった褐色で、花も葉もやや小ぶりである。(2007.3.1)

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ミドリハコベ(横浜)

コハコベ(横浜)