6月の花 ニセアカシア
 6月に入ると、信州の谷筋はアカシアの白い花で埋め尽くされる。アカシアはミモザを指すが、こちらではニセアカシアのことである。白い花房が枝一杯につく。友人の農家で、このニセアカシアの花房の天ぷらを馳走になったことがある。咲き始めの、先の方がまだ蕾くらいの房を採ってきて、片面だけ衣をつけ低めの油でさっと揚げる。軽く塩をふり、房の芯をつまんで口でそぐように食べると、花のほのかな甘い蜜と香りが口中にひろがり思わず声を上げたほど美味であった。(2008.6.1)

ニセアカシアの花
(信州佐久穂町、須田清氏撮影)

ニセアカシアの花房(須田清氏撮影)