3月の花 踊子草

神田神保町からお茶の水に登る男坂という急階段がある。古い手すりがあり、その脇が草地になっていて、見ると面白い形をした花があった。紫がかった薄ピンクの花がぐるりと茎を囲んでいて、ドガの描く「 踊り子」のスカートがひろがっているように見えたのであるが、一つ一つの花をよく見ると、花笠をかぶり団扇を手にした踊り手のようでもある。どうやら名前はこちらに由来しているらしい。近くに白花のものもあった。(2014.3.1)

「今月の花」は丸十年になり、今月で121号となった。しかし、ここでとりあげた花の数は二百にも満たず、星の数ほどある花の種類に比べれば、まさに大海の水の一滴、浜の砂子の一粒でしかない。さりながら、花と出合いその姿を写真に収めるというのも一期一会と思い、いましばらくは続けてみようと思っている。(2014.3.1)

オドリコソウ、ピンク(東京、神田)

オドリコソウ、白(神田)