7月の花 ツユクサ
 夏の朝、葉の上に露を置くツユクサの花は、白い十字花のドクダミの花とともに身近な親しい花で ある。少し前までは双方入り交じって庭の端を占拠していたのだが、今は根茎で勢力を拡げるドクダミの天下 になってしまった。庭には青花と白花のツユクサがあり、もっと前はムラサキツユクサもあったのだが日照を必要 としているらしく、木々が茂ると花をつけなくなった。ツユクサの花の色素は水に溶け出すので、子ど ものころに色水をつくってよく遊んだ。青花紙というのは、花の大きな大帽子花というツユクサの色素 を和紙に染みこませたもので、友禅など着物の下絵を描くときに使われるという。青花ツユクサの花は 愛嬌があり、二弁の花びらが耳のように立ち、雄しべと雌しべが目鼻立ちをつくってそのうちの3本が 前方に髭のように伸びているのが、ネズミの顔のように見えるのはわたくしだけであろうか。(2004.7.1)

ツユクサの花(横浜)

シロハナツユクサとドクダミの群生