6月の花 橡の花
橡は栃とも書くがトチノキ科で大木になる。「マロニエの並木道」と歌にあり、マロニエはクリの木と思い込んでいたが、西洋トチノ木であった。大きな葉が緑陰をつくるので街路樹として植栽される。初めて栃の花を見たのは、神保町のすずらん通りであった。大きな円錐状の赤い花穂をつける。お茶の水にも栃の木通りがあり、赤花と白花の大木が並び、秋には実をつける。栃の実は栃餅にするとは知っていたが、そもそもは凶作の時の救荒食として保存されたという。実には強力なアクがあり、そのままでは食べられない。何回も水に晒してアク抜きをする大変な手間をかけたと聞く。(2021.6.1)

トチの花、赤(神保町、すずらん通り)

トチの花、白(お茶の水、トチの木通り)