12月の花 ツワブキ
 ツワブキが艶のある葉のフキ、ツヤフキの転訛だというのは知っていたのだが、ずいぶんと花がちがう ので異種かと思っていた。それにフキの茎の芯は空洞になっているが、ツワブキの方にはない。それが 同じキク科だという。早春の日だまりにいち早く顔を出す蕗の薹は、春の食膳には欠かせないものの一つ で、天ぷらにするとその香りと苦みで酒も食もすすむ。蕗の薹が薹立ちして花をつけても、キク科の花と は思いもしなかった。ただ、どちらも新しい葉を伸ばしてゆくみずみずしい茎は、煮付けるとおいしく 同じ風味である。ツワブキは初冬の花という感じがあるが、沖縄のツワブキは関東より少し遅れて開 花し、花茎は90p、花球は20pにもなるという。陽射しの強さがちがうからであろうか。石垣島ではタイワン ナシの花が咲いていると便りがあった。沖縄の冬は春が同居しているようなのである。(2003.12.1)

横浜のツワブキ

沖縄のツワブキ(花の上にツマグロヒョ
ウモン)(宮城邦昌氏撮影)