12月の花 
ヨモギと言えば早春の薫り高い野草で、先ずは草餅を思い出す。茹でたヨモギの葉を搗きこんだ餅は、子どもの頃からなじみ深いものであった。キク科の多年草で、蓬生の宿と言われほどにどこにでも繁茂する。全国通津浦々で見られる身近な野草であるが、若葉を積んだ後の姿は誰も気にかけずにいるのではないだろうか。小生もほとんど気にかけていなかったのでるが、たまたまヨモギを摘んだことを思い出して、連句の付けを詠んだことがある、それで、ヨモギにも花が咲くはずであり、まだ見ていないことに気がついた。秋に開花とあるので、先日鶴見川の川岸を通るときに探してみた。それが、探すほどもなくあるわあるわススキやクズに混じっていたり、路際に生えているのはほとんどヨモギであった。若葉の頃とは似ても似つかぬ様子であった。ひょろひょろと伸びた花穂に、なんとも地味な花をつけていた。 (2022.12.1)

ヨモギ(横浜、鶴見川)

ヨモギの花(横浜、鶴見川)